愛知東邦大学

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卒業生の活躍(教育学部)

児童養護施設で働く卒業生の今

就職活動2023.09.25

教育学部 子ども発達学科 2016 / 2017年度入学

桑田 颯斗 / 深井 滉

教育学部=幼稚園・保育士・小学校教諭だけの選択ではなく、あらゆる場所で活躍している先輩方がいます。
ボランティア募集で大学に来ていた卒業生を先生から紹介いただき、児童養護施設で働く深井さんと桑田さんに話をお伺いしました。
最後にはボランティア募集についても。ぜひご覧ください!

児童養護施設「慈友学園」

―まずはお名前と卒業年を教えてください
深井:深井 滉です。2021年3月に卒業しました。今日はせっかくの機会なので職場の先輩も一緒に来てもらいました!
桑田:桑田 颯斗です。2020年3月に愛知東邦大学を卒業しました。

―よろしくお願いします!早速ですが、慈友学園について教えてください
深井・桑田:「All for the smiles of children」(全ては子どもたちの笑顔のために)を養育方針とした、児童養護施設です。
家庭の事情や虐待、ネグレクト等、様々な理由で入所しています。
名古屋では唯一、男子のみの児童養護施設です。

―何名くらい入所しているのですか?
深井・桑田:今は3~18歳の男子児童30人が暮らしています。幅広い年齢の子どもたちを受け入れています。

―職員の体制はどのようになっていますか?
桑田:職員は調理の方たち等を含めて30名ほど。比較的年齢の若い職員が多いです。
シフト制の勤務になっており、基本的には毎日通っていますが、月に3~5回程度泊りの勤務があります。

深井:職員の関係性はとても良く、困った時は一緒に解決してくれます!

―仕事内容について教えてください
深井:朝、起こして学校に送り出して、勉強を教えてご飯を食べて・・・と一般家庭と同じような関りやサポートをしています。
担当する子どもは年度ごとに変わります。
私は小学5年生、高1・3年生の3名、桑田さんは高校1・2・3年生を担当しています。

―関わる年齢層も幅が広いですね
深井:そうですね。去年は小学生ばかり担当していました。
年齢に応じて教えなければいけないことや対応の仕方も変わります。
そういった点を考えながら行動していく必要がありますね。

―児童養護施設で働くためにはどのような資格が必要なのでしょうか?
深井:必ずこれが必要!といったものはありません。職員によっても持っている資格や免許は異なります。
あくまで慈友学園の場合ですが、幼児教育コース卒業の私は保育士資格、初等コース卒業の桑田さんは児童指導員任用資格で入職しました。
施設によって必要な資格等は異なるため、求人情報などはしっかり確認してくださいね。

―児童養護施設で働く方は求人情報を見ておいた方が良いですね。そもそも、なぜ慈友学園で働こうと思ったのですか?
深井:大学生の時、教育学部の取り組みである、サービス・ラーニングを活用して様々な施設へ行きました。
現場でしか得られない気づきや学びの発見から、個人的にもボランティア活動に参加するようになり、慈友学園へ行くことになりました。
行ってみると施設の雰囲気がとても良く、最初は怖いと思っていた桑田さんも本当に優しくて・・・笑
それから、ここで働きたい!と思うようになりました。

桑田:もともとは小学校教員になりたくて愛知東邦大学に入学しました。
その考えが変わったのは2年生の時に行った施設実習。
勉強を教える教員も、生活のサポートをしていく施設職員が自分には合っていると感じました。

【写真:慈友学園の外観】

詳しくはこちら
慈友学園ホームページ

愛知東邦大学で過ごした4年間

―先ほども出てきたように、2人は所属コース・取得された免許が違いますね
深井:私は保育士資格と幼稚園教諭免許が取得できる幼児教育コースでした。
桑田:幼稚園教諭免許と小学校教諭免許が取得できる初等コースに所属していました。

―学生生活で印象に残っていることはありますか?
深井:やはり教育学部の特色であるサービス・ラーニングです。
1年生のころからいろいろな施設に行きました。
大学から募集があるものだけでなく、自分でもボランティアができる場所を探して行くこともありました。
一番印象に残っているのは児童養護施設で生活している子どもたちと、一般家庭の子どもたち合同で海へ行ったこと。
職員の動きや言葉遣いを間近で見ることができ、勉強になりました。
1年次からのサービス・ラーニングは、現場経験のはじめの一歩として後輩たちにもたくさん活用してもらいたいです!

桑田:男子サッカー部に所属していたため、週に6回は練習があり、忙しい毎日を過ごしていました。
プラスαでなにか活動をすることは難しかったのですが、サッカー部での経験は今でも活きています。
運動の楽しさを子どもたちに伝えることができ、スポーツを続けてきて良かったなと思っています。

深井:私はあまり運動が得意ではないため、子どもたちを引き連れて公園へ行く桑田さんの姿を見て頼もしく思っています!

―先生とのかかわりはどうでしたか?
深井:暇さえあれば研究室に行っているくらい先生とは頻繫にコミュニケーションを取っていました!
特に柿原先生は私にはない発想の引き出しをたくさん持っていて、話していて驚くことばかりでした。
今でも使わなくなった道具を施設の子どもたちへとプレゼントしてくれるなど、卒業後も気にかけてくださっています。
また、児童福祉を研究されている伊藤龍仁先生には就職活動の時にいろいろと話を伺いました!

桑田:伊藤数馬先生とはサッカーの話でよく盛り上がっていました。
また、小学校教員の経験がある白井先生は、授業の中で当時の様子をお話してくださり、時には失敗したエピソードも。
包み隠さず話していただき、具体的に教員の現場が想像できました。

【写真:柿原先生と深井さん】

詳しくはこちら
2人が卒業した教育学部

児童養護施設で働くこと

(桑田さんは伊藤数馬先生との約束があり、ここからは深井さんのみのインタビューとなります)

―仕事のやりがいを教えてください
大人が原因で傷ついた経験のある子どもたちは初め、心を閉ざしている場合も多いです。
自分の思いや気持ちを出してくれるまでに1年かかる子どももいます。
その子が段々と自分に心を開いてくれる瞬間はなににも代えがたい瞬間です。
子どもたちと外出することもあり、一緒に温泉につかりながらいろいろな話をした時「この仕事に就いて良かったなあ」としみじみ感じました(笑)

―働く上で難しいと思う場面も多いのではないでしょうか?
当然、施設には門限や外泊するときの申請、清掃などのルールはありますが、それに不満を持つ子どもたちもいます。
話を聞き、なぜこのルールがあるのかを説明し、その中でできることを提案しながらも、子どもたちの気持ちをできるだけ汲む努力をしています。
まだまだ施設の中で若手ですが、職員のみで行う会議で改善を提案することもあります。

―子どもたちと関わる時、意識していることはありますか?
部活動の出来事、仲の良い友だちの名前など、会話の内容を覚えるようにしています。
そうすると日々成長している部分も見えてきて、褒めたり、一緒に喜んだりして、子どもたちも積極的にコミュニケーションを取ってくれます。
手をかけるだけ、自分のためにやってくれているのだと子どもたちは感じてくれます。
その安心できる環境を作り続けていきたいです。

―最後に、慈友学園からお知らせはありますか?
ボランティアを大募集中です!
正直、児童養護施設のイメージって暗そう・・・と思っている方も多いと思います。
そんな方にこそ来てもらいたいです。
施設も雰囲気も子どもたちも本当に明るくて笑顔溢れる施設です。
少しの時間だけでも大丈夫です。ぜひお越しください!

【写真:ボランティア募集のため伊藤数馬先生と話している2人】

詳しくはこちら
慈友学園ボランティア募集ページ

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