愛知東邦大学

2025.07.14

「一体感」の研究で水野伸子教育学部教授が受賞

 教育学部の水野伸子教授が、6月に日本音楽知覚認知学会の論文賞を受賞しました。受賞した論文は、「演奏者と『聴衆』間の聴覚情報の双方向性が同期に与える影響」で、京都市立芸術大学の津崎実名誉教授との共著です。筆頭著者である水野教授は「査読を受けて学会誌に掲載され、その上に論文賞を賜り、研究者としてこれ以上にない幸せです」と喜びを語っています。
 水野教授によると、最近はYouTubeで音楽を聴く人も多いが、「演奏者や聴衆は生演奏がいいと言います。本当のところはどうなのか。ライブは『一体感』があると言いますが、それは何なのか、を解明しようとした研究です」と説明します。演奏と手拍子を使った水野教授らの実験で、聴衆は演奏に合わせて手拍子を打ちますが、演奏家も無意識に影響を受け、演奏を聴衆に合わせよう(同期)としていることが明らかになりました。論文賞の選考委員会の推薦文には「これまで演奏家や聴衆が経験として感じてきたことを科学的に示すものであり、その意義が感じられる」と推薦理由を述べています。
 水野教授は10年以上前、3歳児がモーツアルトの曲に合わせて手拍子を打って聴いてくれた経験があり、それから「同期」が研究対象となったそうです。「生演奏が盛り上がったり演奏しやすいと感じることが、データにすると見えてきたんです。音楽を楽しむ一つのキーワードが同期ということなんじゃないでしょうか」と話していました。

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