2025.06.03
広田奈津子・映画監督を招き特別講義
水野伸子教授の全学部共通授業「音楽と社会」が6月2日にあり、ドキュメンタリー映画「カンタ!ティモール」の監督である広田奈津子さんによる特別講義が行われました。この映画は、24年間にわたる闘争を経て2002年にインドネシアから独立した「東ティモール」の人々の深い悲しみと平和への祈りを、現地の人のインタビューを通して描いた作品です。
広田監督は案内人アレックスと山奥の村を訪ね歩き、現地の言葉を学びながら取材を重ねたそうです。全編を通し、アレックスのギターに合わせて元気に歌う子どもの様子や、大人たちが輪になって歌い踊る力強い「テベ」の風景が映り込んでいます。
前回の授業で、ウェビングマップ(思考を可視化して整理するツール)を作りながら鑑賞し、自分なりの考えをまとめた学生たちは、それぞれの視点から広田監督の話に聞き入っていました。「今の自分の置かれた環境と違いとても考えさせられ、自分の出来ることを何かしたい」「自分を見つめ直す機会となった」「興味を持ったことに一生懸命取り組み行動する大切さを学んだ」「自分の内側から湧きあがるような強い興味やワクワクすることを大切にして、行動に移したい」「『イタ』という現地語が『私たち』と『あなた』を同時に表す、人に境界を作らない、誰かのせいにしない考え方や価値観を知りすごいと思った」「音楽は一つの娯楽ではなく、人々を癒し生きるエネルギーを与える絶大な力があることを知った」など、学生たちはこのドキュメンタリーから多くのことを柔らかい感受性でキャッチしていました。この日の監督との出会いは宝物のような時間となりました。(教育学部教授 水野伸子)