愛知東邦大学

2025.06.04

教育学部の学生が伝統文化を体験

 教育学部の学生が531日、国の登録有形文化財に指定されている犬山市の「木之下城伝承館・堀部邸」で伝統文化に触れる体験をしました。本学独自の「実践型重視の教育」の一環として実施されました。
 福原流笛方四世宗家の福原寛先生が特別講師を務め、篠笛と能管による演奏を聴かせていただきました。学生たちは、民話をもとに作曲された「三井の晩鐘」には「篠笛の音色が柔らかく、懐かしさや自然の風景を思い出させるような感じがした」という印象を持ったようです。また歌舞伎で獅子が毛を振りながら舞う場面での曲「獅子」には「笛一本なのに、何かが迫ってくる疾走感が伝わってきてすごかった」と音色や音楽の迫力を感じたようでした。
 福原先生の指導で学生たちも篠笛に挑戦。「息の強さや角度、口の形や位置など、音を出すだけでも難しい」「リコーダーとは息の入れ方や音の切り方が全く違う」と悪戦苦闘し、音が出た時は嬉しそうでした。締め太鼓にも挑戦し、福原先生の口唱歌(擬音でリズムを唱える方法)に合わせて演奏しました。「普段耳にする音楽とは異なる独特の間合いがあり、和の感じがした」という感想を述べる学生もいました。
 赤塚次郎館長から堀部邸の歴史や建物の特徴を伺い、すっかりタイムスリップした気分になりました。
 ある学生は「福原先生の演奏を実際に聴いて、伝統音楽は私たち日本人にとって心地良いものだということを感じた。篠笛からもどこか懐かしい気持ちになるような音が出て、この感覚は日本人独自のものだと思った。風鈴の音を聞いて涼しいと感じるのは日本人だけと言われるけれど、将来、小学校の授業で日本音楽に触れる際には、この感覚を大事にしながら教材選びや教材研究を行いたい」とレポートを書いていました。学んだ知識と体験が、今後の見通しとなって学生の成長を支えていると感じます。(教育学部教授 水野伸子)

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