2025.01.20
教育学部企画でデフ(ろうあ)ギタリスト「きむやん」のライブ
聴覚に障害がありながらギタリストとして活躍している「きむやん」こと木村正明さんを招き、教育学部が企画した講演と演奏会が1月20日、S棟のスチューデントコモンズで開かれました。
木村さんは幼児期に失聴しましたが、テレビで長渕剛さんの演奏を観て感激。独学でギターを始め、名古屋ろう学校専攻科時代に、「ろうあ者に音楽は無理」と渋る学校側を説得して音楽部を作りました。車のクラクションや救急車のサイレンも聞こえないと言いますが、苦労してリズムを覚え、今では体感や振動で音の違いを感じ分けられるようになったそうです。自分に合った「体感ギター」も独自に製作し、演奏に使っています。またロックバンドを作りライブ活動を続け、CDやDVDも出すほどの演奏者として認められています。
今回の演奏会は、教育学部の水野伸子教授が驚異的な演奏に感動した上に、「〇〇だからできない」という固定観念には縛られない木村さんの考えを学生たちに知ってほしいと考え、学部側に開催を働きかけ実現しました。会場には学生だけでなく、地元の人も加わり、百人ほどで立ち見も出るほど。演奏されたのは「涙そうそう」「乾杯」など7曲。曲の合間には木村さんのユーモアあふれる自己紹介や手話クイズなどをはさみ、和気あいあいとした雰囲気でした。自らの生き方である「限界を作らない」「壁はないと思え」というモットーを、手話通訳者を通じて学生らに強調していました。
また、水野ゼミの近藤木菜美さん(教育学部4年)らゼミ生がそれぞれ得意な楽器を持って、木村さんと「島人(しまんちゅう)ぬ宝」を合奏。会場の学生らも掛け声や指笛で参加するなど大いに盛り上がりました。教育学部1年の玉城秀浩さんは「ろうあ者とは思えないほどの演奏で、指笛を吹いてしまったのは沖縄出身の本能かな」と少し興奮気味で話していました。
千種区から聴きに来たという主婦は「きむやんの演奏はすばらしく、学生さんの雰囲気も良くて、楽しめました」と笑顔を見せていました。