2022.08.08
人間健康学部の上田准教授が「学校現場の薬物乱用防止教育」で現場教員に講義
人間健康学部の上田裕司准教授が8月4日、愛知県西三河総合庁舎で開催された県教育委員会主催の学校保健講座で、昨年度に引き続き、小中学校、県立学校の教員を対象に、「学校現場における今後の薬物乱用防止教育の在り方・考え方」をテーマに2時間わたる講義が行いました。
上田准教授は学校健康教育に関わる研究と実践について研究を進めています。また、前職である中学保健体育教員時代から薬物乱用防止に関する啓発教育に取り組んでいます。
講座第1部で上田准教授は、昨今の青少年における違法薬物の使用は大麻(マリファナ)事犯が増加傾向であり、社会的にも大きな問題とされていることを指摘。また、未成年者の喫煙率(紙巻タバコ)は減少傾向にあると言われていますが、一方で「加熱式タバコ」や「電子タバコ」などの普及により、未成年者の健康被害が懸念されている点を挙げ、特に電子タバコは、法的に年齢制限が設けられておらず、未成年者にとっては、「ゲートウェイ・ドラッグ」に繋がりやすい要因もあることから、喫煙及び飲酒の害と関連させて薬物乱用防止教育を進めて行く必要があると指摘しました。
第2部では校種間における薬物乱用防止教育の指導に関わる「指導内容の確認」「発達段階及び児童生徒の実態に応じた具体的な指導方法」「効果的な防止教育」などについて具体的な例を挙げての講義が行われました。同時に、「青少年を中心とした広報・啓発を通じた国民全体の規範意識の向上による薬物乱用の未然防止」を目標とした「薬物乱用教室」の運用方法などについて確認されました。
第2部後半では、児童生徒が薬物乱用の誘いに対して “きっぱり断る”ことができる態度を育成するための「ロールプレイング」の演習が行われ、参加した約80人の教員(養護教諭60人)が熱心に講義を聴いていました。
上田准教授は、薬物乱用防止啓発教育の充実した指導の実現は、指導者が、「“薬物、ダメ、ゼッタイ”」の精神を念頭に置き、「確かな知識」を構築したうえで、「指導しきる姿勢」が重要であることをまとめのことばとして講義を終えました。