愛知東邦大学

2020.04.09

水野教授らの研究論文が日本音楽教育学会の学会誌に掲載されました

 教育学部の水野伸子教授(音楽教育学、音楽心理学)が京都市立芸術大学の研究者らと取り組んだ研究の論文が日本音楽教育学会の発行する学会誌『音楽教育学』に掲載されました。
 水野教授は以前より、日本人のリズム感が海外の人と違うことに関心を持ち、3歳から12歳までの子どもや大学生を対象に音楽実験を繰り返し、リズム感の実態を調査してきました。ヒップホップを踊ったりカラオケをテンポよく歌ったりする基になるビート(拍)感覚は、どの時期に、どのような過程を経て養われるのでしょうか。

 今回の論文「幼児期における拍知覚の発達:拍への同期度による検討」では、幼児がビート感覚を獲得するまでの過程を明らかにしようと試みました。
 共同研究者である岐阜大学の吉田昌春名誉教授と岐阜女子大学の安藤久夫教授が開発した手拍子反応記録装置は、音楽に合わせて打つ手拍子の時刻を採取し、パソコンに自動記録することができます。その記録の解析から、幼児の拍知覚が音楽の内容にどのように影響されるかがわかります。4歳児は旋律の音の速さ細かさに同期しようとしますが、5歳児になると旋律のリズムに影響されることが少なくなり、音楽の根底を流れるビートに同期することが明らかになりました。
 幼児期はリズム感が大きく育つ時期です。このような発達を理解した保育者を育てていきたいと思います。(水野伸子)

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