愛知東邦大学

2026.08.06

武寛子准教授、国際的な学術誌に論文掲載

 教育学部の武寛子准教授の論文(英文)が、このほど国際学術誌「Quality in Higher Education」に掲載されました。武先生に、論文の内容や位置付け、掲載に至る経緯などをお聴きしました。

――まず論文が掲載された学術誌はどのようなものですか?

  Quality in Higher Education」は、高等教育の質保証や大学運営、教育改善に関する理論・実践・政策を扱う国際的な査読付き学術誌です。世界中から集まった「大学教育の質保証」や「学生参画」をテーマとする研究論文が数多く掲載されています。

――掲載はどのようにして決まったのですか?

 この論文は、2023年に私がスウェーデンに滞在していた際に実施したインタビュー調査が出発点となっています。調査の途中で愛知東邦大学への着任が決まったので、帰国後も調査を継続し、スウェーデンの大学における学生、教員、職員へのインタビューを積み重ねてきました。
 2023年から2024年においてスウェーデンに滞在中、私の研究テーマに関心を持ってくださった共同研究者であるウプサラ大学のDr. Åsa Kettis(オーサ・ケッティス博士)と、「スウェーデンの大学において学生・教員・職員の三者にインタビューを行った実証研究はほとんどない。この研究成果を国際的に発信する意義は大きい」という考えが一致し、共同で論文を執筆することになりました。
 調査結果を丁寧に分析し、何度も議論と推敲を重ねながら論文を完成させ、「Quality in Higher Education」に投稿した結果、査読を経て掲載に至りました。

――論文の内容を分かりやすく解説していただけますか?

 スウェーデンでは、学生が大学教育の改善に積極的に参画しています。例えば、大学内のさまざまな委員会に学生代表が参加し、教員や職員と同じように投票権を持って意思決定に関わっています。一方、日本でも、大学運営や教育改善への学生参画の重要性が注目されるようになってきました。本学が認証評価を受けている日本高等教育評価機構も、学生が大学教育の改善に主体的に関わることの必要性が提言されています。
 そこで私は、「スウェーデンでは学生参画が制度として定着しているが、実際に学生、教員、職員は、それをどのようなものとして捉えているのだろうか。学生参画にはどのような意義があり、どのような課題があるのだろうか」という疑問を持ちました。この論文では、その点を明らかにするため、スウェーデンの大学において学生代表として活動する学生だけでなく、教員や職員にもインタビューを行い、それぞれの立場から学生参画の意義と課題を分析しました。
 これまで、スウェーデンの大学における学生参画について、学生・教員・職員の三者を対象として実証的に分析した研究はほとんどありませんでした。そのため、本研究は、学生参画の実態を多角的に明らかにした点に特徴があると考えています。

――論文作成上の工夫やご苦労なさったことはありますか? 

 共同研究者がスウェーデンにいるため、最も苦労したのは時差の問題でした。打ち合わせの日程を調整するだけでも簡単ではなく、お互いの都合を合わせながら研究を進めていきました。また、インタビュー調査では、スウェーデンの教員、学生、職員の方々にご協力いただきました。スウェーデンの時間に合わせる必要があったため、日本時間の平日夜にインタビューを実施することが多く、日程調整には苦労しました。
 さらに、論文は英語で執筆したため、内容を正確かつ分かりやすく表現することにも苦労しました。共同研究者と何度も議論を重ねながら表現を修正し、より伝わりやすい論文となるよう心掛けました。

――掲載されたことで、先生の率直な感想をお聞かせください。

 今回、高名な国際学術誌「Quality in Higher Education」に掲載されたことは光栄であり、大変うれしく思っています。査読の過程では多くの貴重なご助言をいただき、それらを反映させることで論文をさらに改善することができました。この経験を励みに、今後も研究を積み重ねていきたいと考えています。

論文はこちらから読むことができます。

※写真は武准教授と、共同研究者のÅsa Kettis博士

< トップに戻る

Instagram LINE You Tube