2025.01.23
教育学部で卒業研究発表会
教育学部で1月 21日、卒業研究発表会が行われました。発表会は2教室に分かれて行われ、体調不良者等を除き4年生全員が研究の成果を発表しました。
研究のテーマは多岐にわたり、2000年以降に急激に増えたADHD(注意欠如・多動症)児への教育実践▽外国人児童が日本一多い愛知県の日本語教育の現状▽メディアを賑わす不適切保育といった現代の保育・教育課題に着目したもの▽被災地の復興に向けたボランティアの意義などの社会課題▽MBTI(マイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標)などの性格診断や「刀剣乱舞ONLINE」のブラウザゲーム、「推し活」など流行に注目したもの――など、若者らしい着眼点で現代社会の現状から研究の問いを見つけていました。
研究方法は、文献調査、質問紙による調査、実践の検討、心理テストなどバラエティに富み、それらの結果を分析し考察する学生の視点もまたオリジナリティが感じられました。日本社会におけるタトゥーの受容について研究した学生は、Z世代とX世代の認識差に注目し、その原因が異なる情報収集の媒体にあると論じ、一つの外見で人を判断しその見方を社会で共有しがちな日本社会の考え方の傾向についても問題提起しました。柔軟な価値観でお互いを理解しようとする姿勢をもつことがすべての人にとって生きやすい社会になる、という結論は聴講した多くの学生に共感を持って受け止められました。
論文・実践報告・制作と3種類の卒業研究が認められていることも教育学部の特色です。制作では、ダンボール工作や小道具を使ったシアターの制作、創作絵本を作った学生もいました。
発表後の教員のコメントからは「卒業研究で扱った分野のエキスパートになった。今後もその課題を追求するとともに、そのことをきっかけに広げていってほしい」「情報が手軽に入る現代において、情報を鵜呑みにせず取捨選択しどう使うかがこれからの課題」など、学生の将来を見据えたアドバイスがされました。
発表会の司会をした学生は、最後に指導教官へ感謝を述べたのち、卒業研究を「一念通天」の言葉を比喩的に用いて表現し「前途洋洋」と重ね合わせてこれからの人生を生き抜く覚悟を述べ、4年生の仲間を激励するとともに、聴講した3年生へバトンを渡して閉会となりました。
このような学生の成長に接することは、私たち教員にとって大きな喜びです。卒業研究をやり抜いた学生たちへ心からエールを送ります。(教育学部教授 水野伸子)