愛知東邦大学

2024.12.04

教育学部基礎演習で東山動物園の絶滅危惧種学ぶ

 教育学部1年生の基礎演習で11月29日、学生たちが東山動物園で絶滅危惧種の動物たちをめぐる問題を学びました。1年間で10人の新たな人と出会う「10meet 10persons」の一環で、同動物園の教育普及ご担当の白木康雄氏、環境教育解説員の中囿雅子氏を訪問しました。
 1年生たちは午前中の授業を終えるとラーニング・コモンズにゼミごとに集まり、大学から提供のカレーライスで、体と気持ちを温めて、東山動物園に向かいました。動物園では、白木氏と中囿氏から、絶命危惧種にまつわる様々な問題や取り組みのお話を、絶滅危惧種になっている動物を観察しながら、ガイドツアーで説明していただきました。
 現在、東山動物園で飼育している約450種の動物のうち100種類以上が絶滅危惧種になっているとのことでした。ニシゴリラやクロサイ、スマトラオランウータンなどは、特に絶滅の危機が迫っているとのことです。その主な原因は、農地の開発や乱獲、密猟、気候変動などのようです。
 解説を聞きながら、私たちの日常生活で使用しているものや、食べているものが、どのような環境の中で作られ、どのようなルートで手に入っているのかを知ることは改めてとても大切なことだということを知りました。そして、私たちが当たり前に豊かさを求め続けて良いのかといった問いにも気付かされるガイドツアーとなりました。
 参加した学生からは、普段の生活を少し変えるだけでも、絶滅危惧種になっている動物を守ることができるのだと知ることができたことや、絶滅危惧種の動物の多さに驚いたこと、その原因に少なからず自分も関わっていることを知り、普段動物を見ているだけでは分からないことに気付けたといった感想が多く出されました。
 少し寒さはありましたが、園内も紅葉で彩られ、秋の東山動物園を満喫することができました。参加した学生の多くが子どもの頃に遠足で訪れた事を思い出しながら、園内を散策して楽しんでいました。数年後、東山動物園に先生として園児や児童を引率して来る学生もたくさんいると思います。中囿氏から「動物園の遠足では、子どもたちにたくさんの動物を見せることよりも、動物の行動をゆっくりと観察して、その動物の遊び方や鳴き声などの特徴を、時間をかけて発見する面白さを伝えて欲しい」とアドバイスをいただきました。
 今回の東山動物園での学びが、今後、子どもたちにもつながっていき、環境教育活動が社会に広がっていく事を願います。(教育学部・新實広記)

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