2024.07.28
教育学部で鑑賞補助ツール作成に関わった浅尾氏招き授業
教育学部で7月22日に行われた図画工作科教育法の最終授業に、ゲストスピーカーとして愛知県美術館での文化庁支援事業(鑑賞学習普及事業)鑑賞補助ツール「あいパック」の作成に携わった浅尾知子氏を招いて美術鑑賞学習について講義していただきました。
浅尾氏は、愛知県美術館との連携及びあいちトリエンナーレ関連事業にも参加し、現代作家と連携した鑑賞授業、造形ワークショップを企画実践されています。浅尾氏は、2022年まで津島市の小学校校長をされており、あいちトリエンナーレ2019では、アーティスト日比野克彦氏と浅尾氏が当時校長を務めていた全校児童による造形活動のラーニングプログラムを実施しました。
講義では、小学校での鑑賞学習の意義や、これまでの浅尾氏の活動のご紹介をしていただきました。学校における図画工作の鑑賞学習では、子どもたちが描いた絵を手に持ってクラスの前で工夫した点や頑張った点を発表するという方法が思い浮かぶかもしれません。本学の学生の中には、鑑賞学習で描いた絵を仲間に笑われ、美術に苦手意識を持つ学生も少なくありませんが、浅尾氏はこれまでの鑑賞学習の方法とは違い、「鑑賞」とは「鑑:よく見て」「賞:褒めること」だとお話しされました。
鑑賞学習は、絵を描いた人が主役ではなく、鑑賞する人が主役となり、仲間との対話を楽しむことだともお話しされ、鑑賞補助ツール「あいパック」でその実践方法を教えていただきました。学生は、グループでテーブルを囲み思い思いに絵を見て感じたことを話したり、他の絵との繋がりや、自分では気がつかなかった友達の発見などを楽しんだりしていました。
また、現在浅尾氏が特に力を入れて取り組まれている、小学校図画工作科での学びを図画工作科で終わらせない、教科横断的な学びや、社会や人につながっていく活動の実践例を紹介していただきました。
受講した学生からは、「鑑賞で感じたことに対して肯定して褒めていただき、とても楽しい授業でした」「子どもの頃に経験した鑑賞学習とは違い鑑賞が楽しくなりました」「鑑賞学習で想像を膨らませ、友達との違いに気づくことがとても楽しかったです」などといった感想が寄せられました。
講義の最後に浅尾氏から小学校教諭を目指す学生へ、「教員採用試験の勉強をコツコツと続けて、学生時代には、ボラティアや子どもとのワークショップ、旅行、アルバイトなど多くの人と出会い、様々な体験をしてください」とエールをいただきました。(教育学部・新實広記)