愛知東邦大学

2024.04.02

2024年度入学式 鵜飼学長式辞

 皆さん、愛知東邦大学にご入学おめでとうございます。暖かな日差しの下、平和公園の桜の花が満開を迎えようとするこの美しい日に、愛知東邦大学入学式を迎えることができますことを心から感謝いたします。
 本日、ここに、経営学部161名、人間健康学部121名、教育学部47名、ならびに経営学部3年次編入学生2名、総計331名の入学を許可いたしました。ご臨席の東邦学園榊直樹理事長ならびにご来賓の皆さま、列席の副学長、部局長をはじめとする教職員一同、そして在学生とともに、皆さんのご入学を心よりお祝いしたいと思います。
 留学生の皆さん、Congratulations and Welcome to Aichi-Toho University!Please get used to life in Japan as soon as possible.
もとより、皆さんが、今日晴れて大学生としての一歩を踏み出すことができたのは、ご家族や恩師、友人たちの温かい支えがあったからに他なりません。ご家族ならびに関係の皆さまに大学を代表して心よりお祝いを申し上げます。
 はじめに、本年元旦に発生した能登半島地震では多くの方々が犠牲となられました。心より哀悼の意を表しますとともに、今なお困難な状況に置かれておられる皆さまに対して、心よりお見舞い申し上げます。そして、一日も早く復旧、復興が進み、平穏な日常を取り戻されんことをお祈り申し上げます。

 さて、3年以上にわたって人類に大きなダメージを与えた新型コロナウイルスが第5類感染症に指定されからもうすぐ一年が経ちます。グローバル時代に人類が初めて経験した世界的な危機から未だ1年足らずですが、しかし、世界は着実に、いやむしろ急速に平常状態を取り戻そうと様々な動きが活発化しています。停滞していた経済活動は損失を取り戻そうとするかのように世界中で活性化しています。わが国でも長年のデフレからの脱却が期待されるまでに金融市場は活況を呈しています。
人の移動も活発化し、訪日人口はコロナ禍前の8割にまで復活、インバウンド消費は、円安もありますが、過去最高を記録したとのことです。一方、国と国とを分断していたウイルスというカーテンがなくなったとたんに、ロシアはウクライナに侵攻し、パレスチナでは深刻な戦争状態にあります。このようにコロナ後の世界は大きなエネルギーでダイナミックに動きだしています。
 では、皆さんにとってのポストコロナはどのように動き出していますか?少し前のことを思い出してください。新型コロナウイルスパンデミックの真っ只中で高校受験を迎え、やっとの思いで入った高校でも、断続的な学級閉鎖、慣れないリモート授業、部活動の制約、そして、まるで断食を終えた修行僧のような黙食。学校生活での制約に加えて普段の生活においても自粛を強いられました。人生で一番多感で、開放的で楽しい時代の貴重な時間をコロナ禍の中で過ごしました。皆さん、息苦しさや辛い思いを抱えながらも、精一杯日々の生活を過ごしたのではないでしょうか。しかし、よく頑張りました。そして、徐々に皆さんが望む生活を取り戻そうとしているのではないかと思います。

 今日は、皆さんが大学生としてリスタートを切り、ダイナミックに、そして、一歩前に動き出す記念すべき日です。
愛知東邦大学は、皆さんが社会に出て生きていく礎を作る4年間を願い、小規模大学としての強みを活かしながら、学生一人ひとりの可能性の芽を大切に育てる大学をめざしています。その基本理念が、コンセプトフレーズ「オンリーワンを、ひとりに一つ。」です。世界はどんどん変わっています。これからもどんどん変わっていきます。そのような大きく変化する時代を皆さんはたくましく生き抜いていかなければなりません。
 大学とは、皆さんが、将来、立ち向かっていくための「はじめの一歩」・・・・社会へのゲートウェイ、社会に通じる入口です。その機能と役割を簡単にご紹介しましょう。
大学は、学びと成長の場です。大学は知識やスキルを習得し、個人としての成長を促すところです。学生は多様な経験を通じて自己理解を深め、将来の方向性を見出すことができます。また、大学は個々の興味や情熱を追求し、自己実現を促す場でもあります。学生は自分の関心や目標に向かって学び、成長することができます。
本学では「オンリーワンを、ひとりに一つ。」の基本理念の下で、教育方針として、「ひとり一人の英知と技能を育てるテーラーメイド教育」を進め、学生ひとり一人の個性、成長にあわせた最適な指導を教育データに基づいて提供していきます。
 本学の教職員は学生と真摯に向き合い信頼関係を醸成し、個々に眠っている才能や能力を引き出し、豊かな感受性を育む教育に全力で取り組んでいます。それが、本学の掲げるブランドシンボル「二本のオレンジライン」です。力強くあたたかな二つのラインは、自立した学生と教職員を表します。双方の中心に生まれた無垢のラインは、両者が向き合い、信頼関係を築く中で磨かれていくオンリーワンの力や経験を表現しています。そして、それは進むべき一本の道にもなります。

 つぎに、大学は、これから皆さんが築いていくキャリアの起点となるところです。将来のキャリアを築くうえで必要となる専門知識やスキルの獲得によって取得する学位のみならず、様ざまな資格や能力の取得は、皆さんの就職や職業への道を開く重要なステップとなります。愛知東邦大学では、入学した時から卒業後の将来を見据え、段階的かつ定期的にきめ細かくサポートを実施しています。
 インターンシップや就活のための支援の他、公務員合格をめざした東邦ステップ、様ざまな資格を取得するためのプログラムを用意し、皆さん一人ひとりの夢の実現を全力で応援しています。しかし、キャリア教育とは、就活が目的ではないことを申し上げたい。皆さんが社会人として自立した人間として活躍できるための「人間力」を身につけること、生涯にわたって学び続ける姿勢を涵養することが目的です。そのために、東邦学園主催のなんでもチャレンジコンテスト、名古屋グランパスとの共催ビジネスコンテストなどのイベント、地域と連携した活動・授業報告会など様ざまな活動に参加して自主性や協調性を磨くこともキャリア形成にとって大事なことです。

 そして、なによりも大切なことは、新たな人間関係を形成する場としてのキャンパス生活です。大学に入ると、高校生活に比べて皆さんの活動の範囲や領域が格段に広くなります。また、大学では異なる背景や専門分野の人々が出会い、交流する場でもあります。その中で、皆さんは共通の興味や志を持つ仲間と出会い、将来の人脈や協力関係を築くことができます。そうしたキャンパス生活の中で、多くの人々との交流があり、深い友情や人間関係が築かれ、これらのつながりは、将来のキャリアや人生においても重要な支えとなっていきます。
 本学は小さな大学ですが、皆さんが自由に過ごせるStudent Commons、Learning Commonsなど、皆さんが自由に集い、自由に語らい、そして時には一緒に学ぶフリースペースを用意しています。是非、活用して下さい。また、海外研修の機会を利用して語学力の修得、異文化の体験にも積極的にチャレンジしてください。将来、間違いなく、皆さんのコミュニケーションの幅を広げるきっかけになります。
 愛知東邦大学は、皆さんの若いエネルギーと可能性を最大限に活かせる教育環境を整えています。自立した一人の人間として力強く生き、グローバルステージをめざす皆さんの意欲を、愛知東邦大学は全力で支援いたします。そのための環境作り、整備を惜しみません。予測不可能な時代を前にして、皆さんは、自ら進む道を切り拓いていかなくてはなりません。その道標となるのが諸先生方、先輩方の声です。柔軟に耳を傾けて下さい。険しい道を果敢に進んでいって下さい。その先にある扉を開くのは、ここにいる皆さんです!
4年間なんてあっという間に過ぎてしまいます。皆さん、愛知東邦大学で、学生時代を思う存分楽しんでください。
                                       2024年4月2日       
                                       愛知東邦大学長 鵜飼 裕之

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