愛知東邦大学

2023.08.07

上田准教授が県教委主催講座で「学校現場での薬物乱用防止」について講義

 人間健康学部の上田裕司准教授が8月2日、愛知県三の丸庁舎での県教育委員会主催の学校保健講座で、養護教諭、小中学校、県立学校の教諭を対象、「学校現場における今後の薬物乱用防止の在り方・考え方」をテーマに2時間にわたる講義をしました。
 上田准教授は、学校健康教育に関わる研究と実践について研究を進め、前職の中学保健体育教員時代からは薬物乱用防止に関する啓発教育にも取り組み、「学校現場における薬物乱用防止教育の在り方」について研究を続けてきました。
 講座第1部で上田准教授は「現在は大麻乱用期といわれ、大麻(マリファナ)事犯が増加傾向にあり、社会的にも大きな問題になっている」と指摘。未成年者の喫煙率(紙巻たばこ)については減少傾向にあると認めつつも、「加熱式たばこや電子たばこなどの普及で未成年者の健康被害が懸念されている」と危機感を募らせました。特に電子たばこは法的な年齢制限がなく、「ゲートウェイ・ドラッグ」に繋がりやすい要因でもあることから、喫煙及び飲酒の害と関連させた薬物乱用防止教育を進めることの必要性を訴えました。
 講座第2部では、校種間での薬物乱用防止教育指導に関わる「指導内容の確認」「発達段階及び児童生徒の実態に応じた具体的な指導方法」「効果的な防止教育」などについて具体的な例を挙げながら講義が進められ、同時に「青少年を中心とした広報・啓発を通じた国民全体の規範意識の向上による薬物乱用の未然防止」を目標とした「薬物乱用教室」の運営方法などが確認されました。2部後半では、児童生徒が薬物乱用の誘いに“きっぱり断る”ことのできる態度を育成するための「ロールプレイング」の演習も行われ、参加した約80人の教員(大半が養護教諭)は皆熱心に耳を傾けていました。
 上田准教授は、まとめの言葉として「薬物乱用防止啓発教育の充実した指導を実現するには、指導者が“薬物、ダメ、ゼッタイ”の精神を念頭に置き、『確かな知識』構築した上で、『指導しきる姿勢』が重要」と強調し、講義を終了しました。

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