愛知東邦大学

2019.07.18

人間健康学部の丹下助教が中部教育学会で発表

 人間健康学部の丹下悠史助教(教育学)が7月6日に朝日大学で開催された第68回中部教育学会で、「道徳教育における子どもの自我関与と評価」のテーマで個人発表を行いました。丹下助教からの発表報告です。

 

 近年、いじめの問題等をきっかけに、小中学校で道徳教育を充実させることが求められています。その結果として、これまで週に1時間行うことになっていた道徳の時間を、新しく「特別の教科」と位置づける教育課程の改革がありました。その中で、「問題解決的な学習」や「道徳的行為に関する体験的な学習」のような、正解が一つに定まらない問いについて考えたり、自分の意見を発表したりするような学習の形態が求められています。
 しかし、どのような学習形態であれ、自身の価値観をゆさぶる学びが成立するためには、学習者である子どもが、授業の中で出会う問題を自分事(じぶんごと)として捉えなければなりません。また、そのような授業を成立させるためには、教師が過去の実践から、教材や教師の手立てといった様々な要因がいかにして子どもの自分事としての学びを成り立たせたかを読み取り、学べるようになることが大切です。
 そうした問題意識から、今回の発表では、子どもの発言や記述から、子どもが問いに対してどのように自身の価値観を関わらせているのかを明らかにするための、分析・評価の方法について検討しました。
 結論として、学習者の回答や記述の到達段階を表す尺度と、それぞれの段階の基準を示すルーブリックという指標を用いる方法に、教師や子どもの授業中の発言を読み解き、そこでどのような学習が起きていたのかを解明する「授業分析」の分野で、これまで積み重ねられてきた研究の成果を取り入れることが必要であることを提案しました。これからは、学校で行われる実際の授業を観察しながら、その具体的な方法を開発していきます。

 

 人間健康学部は学際的な学部であるため、様々な分野をご専門とする先生がいらっしゃいます。上記のような各先生の研究活動を通して、学部の学びをより知っていただきたいと思っています。(人間健康学部・広報担当)

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