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人間健康学部の谷村准教授らの研究論文を英国学会誌が掲載

2019/6/3

 愛知東邦大学人間健康学部の谷村祐子准教授(スポーツ医学)が京都府立医科大学、京都府立大学の研究者と取り組んだ「糖尿病マウスにおける運動と糖尿病治療薬の併用効果」についての共同研究論文がイギリス「The Physiological Society」(生理学会)が発行する学会誌「Experimental Physiology」(実験生理学)に掲載されました。
 糖尿病の治療には運動療法が有効であるということは広く知られています。特に非インスリン分泌型糖尿病(Ⅱ型糖尿病)は、インスリンの効果が十分に機能せず、インスリン抵抗性が高いことから、運動がインスリン抵抗性の改善に役立ちます。しかしながら、血糖コントロールが十分にできない場合は、インスリン治療や経口血糖降下薬などの薬物療法と併用することになります。
 近年では、GLP-1 (Glucagon-like peptide-1)という物質に着目した、従来の薬とは別のメカニズムで作動する薬が使われるようになりました。GLP-1は血糖値の上昇に応じて分泌されインスリン分泌を促す物質である消化管ホルモン(インクレチン)の1つです。しかしこのGLP-1はすぐにDPP-4 (Dipeptidyl peptidase-4)という酵素によって分解されてしまいます。本研究で使用したDPP-4阻害剤は、DPP-4の働きを阻害することによって、分泌されたGLP-1が働きやすくする物質です。
 本研究で検証した運動とDPP-4阻害剤の併用は、従来の薬でリスク視される低血糖のリスクを軽減することが考えられます。また、GLP-1やDPP-4自体が多様な機能性を持つため、糖代謝だけでなく脂質代謝の改善をすることが考えられました。
 今回の論文では、糖尿病患者に多い肝臓の脂肪蓄積に着目して研究を進めたところ、DPP-4阻害剤は運動による糖代謝の改善をサポートし、それらの併用は肝臓への脂質取り込みを担うCD36の遺伝子発現を低下させることで肝臓の脂質蓄積に抑制的に働くことが確認されたことが報告されました。
 論文タイトルは「Combined treatment of dipeptidyl peptidase‐4 inhibitor and exercise training improves lipid profile in KK/Ta mice」(「KK/Taマウスにおいて運動とDPP-4阻害剤の組み合わせは脂質プロフィールを改善する」です。