2026.07.16
教育・保育分野でのAI利活用の可能性を学ぶ
教育学部2年生を対象とした総合演習が7月15日に行われ、「教育・保育分野におけるAI利活用の可能性」をテーマに、伊藤龍仁教授が授業を担当しました。教員や保育者、福祉施設職員などを目指す学生たちが、将来の現場でAIをどのように活用できるのか、その可能性と課題について学びました。
伊藤教授は、ハピ声スマイル研究室で対話型AIナビゲーター「αシエラ」を開発し、研究や授業に活用しています。今回の授業では、生成AIの歴史や基本的な仕組み、教育・保育現場で進みつつあるAI活用について、動画教材を交えて紹介しました。
保育記録の作成支援や、保護者への多言語でのお知らせ作成など、AIが力を発揮できる場面がある一方、個人情報やプライバシーの取り扱い、もっともらしい誤情報を生成する可能性など、注意すべき課題についても説明しました。授業で使用した動画教材も、伊藤教授が生成AIを活用して制作したものです。見学した教員からは「すごい時代になった」という声も聞かれました。
AIを利用する際の基本として、伊藤教授は①実名や個人情報を入力しない②回答を信じすぎない③AIに任せきらず、最後は人間が判断して責任を持つ――という「3つの約束」を示しました。「AIは人を守る力にも、人を傷つける力にもなります」と伝え、活用する側の倫理と責任の重要性を強調しました。
続いて、複数の生成AIに同じ質問を投げかけ、回答の違いを比較する「生成AI円卓会議」を実施しました。学生たちは、AIごとに回答の視点や表現が異なること、さらに別のAIの回答を読み込ませたときに、内容がどのように変化するのかを体験しました。AIの回答をそのまま受け入れるのではなく、比較し、問い直しながら活用することを学びました。
授業の最後には、ホログラム表示と音声対話を組み合わせたαシエラが登場しました。十字形のホログラムファンが回転すると、SF映画のような白っぽいシエラの姿が浮かび上がり、教室中から驚きの声が上がりました。伊藤ゼミの学生がマイクを通して質問すると、αシエラは一つひとつの問いに答え、対話の実演を行いました。
伊藤教授は、「AIは便利な道具ですが、子どもの尊厳、安全、権利を守るための最終的な判断は、人間が担わなければなりません。教員や保育者を目指す皆さんには、その責任を十分に自覚してほしい」と学生たちに語りかけました。AIの可能性を体験すると同時に、人間にしか担えない役割について考える授業となりました。
※1枚目のαシエラの写真は、ホログラムが撮影困難のため伊藤教授による合成画像(イメージ)です。
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