2025.12.04
「健康実践演習」で名工大教授がゲスト講師
名古屋工業大学の森田良文教授(電気・機械工学類)を招いた人間健康学部1年生向けの「健康実践演習」特別講座が12月3日開かれました。森田教授は、ロボット研究を通じて鵜飼裕之学長と共同研究を行う研究者の一人で、自身が開発したデバイス「iWakka(アイワッカ)」を用いた健康データの活用法などについて講演しました。講座は1年生が全員履修する科目で、約140人が出席しました。
冒頭、尚爾華学部長が「来年4月に新設される健康情報学コースでは、健康情報や生体情報の知識を基に、ヘルスケア商品の開発・応用、社会課題の解決や新たな価値創出につながるスキルの取得を目指します。今日はコース設立に先駆けて、ヘルスケアに貢献する応用事例としてiWakkaについて学んでください」とあいさつしました。続いて森田教授は「鵜飼学長は私の恩師ですから、その前で話すので緊張しています」と笑わせ、講義に入りました。
iWakkaは湯呑みほどの大きさで、握ることで手の握力だけでなく、調整力(握る力を加減する能力)を測定できる機械(デバイス)です。力の微妙な調整や安定性など「見えない機能をデータとして測定できる」点が特徴で、これにより従来は捉えにくかった「手の器用さ」の「見える化」が可能になりました。手は脳によってコントロールされているため、現在は病院・大学などで脳卒中後のリハビリ、認知機能トレーニング、軽度認知障害(MIC)の早期発見、脳トレなどへの利用も研究されているようです。
講義の最後に、数名の学生がiWakkaの使い方やゲームを体験しました。「力の調整が難しかった」「豆腐のように柔らかい感覚だった」「筋力と調整力がそろって初めて“手をうまく使える”ことが分かり、調整力の重要性を実感した」と言った感想のほか、「ゲーム要素を加えることで、調整力のトレーニングは日常生活やスポーツにも活用できると感じた」など、iWakkaの可能性に関するコメントがありました。

