愛知東邦大学

AICHI TOHO UNIVERSITYTOHO Stories

教員紹介(教育学部)

造形を通じて一人ひとりの「違い」大切に

学び2023.08.28

教育学部子ども発達学科

新實 広記

TOHO Stories初の先生へのインタビューとなります。
新實先生は教育学部の教員として、「保育内容(造形表現)」、「図画工作科教育法」、「幼児と造形表現」といった授業を担当しています。
造形や美術と子どもたちとの関わり合いについて、学生に教えています。
インタビューでは、分かりやすく、丁寧に答えていただき、自然体でありながら、想いもしっかり持たれているところが印象的でした。
是非、ご覧ください。

子どもと造形

―まずは、先生の専門分野を教えてください。
「美術教育学」になります。
というと少しわかりづらいですが、簡単にいうと子どもの造形や図画工作の教材などの研究をしています。
子どもたちって、ものを作る活動を通じていろんな発見や、成功、失敗といった体験をしているんですよね。
そういった体験を大切にしながら、一人ひとりの個性を楽しめるような造形、図画工作の研究をしています。

―なるほど。楽しそうな分野ですね。具体的にはどんな授業科目を担当されていますか?
今は、「保育内容(造形表現)」、「図画工作科教育法」、「幼児と造形表現」などですね。
造形における技術力もありますが、それよりも大人と子どもの造形活動の違いを学生に理解してもらうように教えています。
例えば子どもは、身体や心理の発達と共に描画表現が変化すること。
他には、子どもは目的や結果を重視する大人とは違い、今を大切にしていますので、作品を完成することではなく子どもの興味に寄り添いながら造形活動の指導方法を学生と考えたりする授業を行っています。

―子どもの興味、関心を大切にした教え方を学ぶといったところですね。ちなみに「幼児と造形表現」はどんなことをやられていますか?
子どもの豊かな創造性を引き出す遊びやその環境などについて学ぶ授業です。
子どもの造形活動は、大人が子どもに何かを作らせるような作業になってはいけません。
子どもが素材や技法でじっくり遊んでいるうちに1人1人違ったアイデアで作品が生まれてくるような、そんな子どもの造形心理と造形活動を授業で制作を通して追体験してもらいます。

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教育学部のカリキュラム・シラバス

教員と作家の両面の顔

―新實先生が美術の道を選んだきっかけ、教員になるきっかけを教えてください?
元々、ものづくりが好きだったり、手や身体を動かして勉強をしたいという想いがあって、美術専攻に進学しました。
そこでガラス造形というものに出会って、彫刻の制作をしていました。
それと同時に芸術大学などで非常勤講師をしたり、子どもたちに造形ワークショプをしたりしている中で、縁があって愛知東邦大学で教員を務めることとなりました。

―現在もガラス造形作家として活動しているとお聞きしましたが?どのような活動をされていますか?
そうですね。
最近では、美術館やギャラリーだけでなく、さまざまな分野の方と関わりながら作品制作を行なっています。
例えば、建築分野やパブリックな空間に展示する野外彫刻、今年は、ゲームやアニメで人気のあるポケモンの会社とも展覧会を行いました。
さまざまな分野の人と関わることで、新しい化学反応が自分や作品に起こることを楽しんでいます。
締め切り間近は、家に帰れずに作業場に籠ることもありますね…。

―どんな作品を造られることが多いですか?素人の質問ですみません…?
ガラスの特性を活かしたシンプルなものが多いです。
ガラスはもちろん、石や鉄といった素材にはそれぞれの特性があります。
それぞれの素材のもつ特性に面白さを感じています。
ガラスは日常に溢れていますが、つい見過ごしてしまいがちな、ガラスが持っている特性に作品を通して気づいてくれたら嬉しいなと思っています。

(写真は新實先生の作品が紹介された雑誌)

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新實先生の過去のインタビュー

「違い」を大切に

―普段、授業の中ではどんなことを意識していますか?
最初に説明しすぎないということです。
説明しすぎると、説明した通りのものしか出てこないので。
まずは「やってみる」ということを大切にしていきたいと思っています。
やってみて、起こった事象に対して話をし、しっかり振り返りを行っていきます。
その方が、一人ひとりの「違い」が出て面白いです。

―確かに、新實先生は人との「違い」を大切にされていますね。
そうですね。
やっぱり、人それぞれが持っている「違い」は大事にしていきたいですね。
学生を見ていると、自分のいいところにまだ気づいていない学生が多いなと感じています。
一人ひとり必ず苦手なこともありますが、それ以上にいいところがたくさんあるので、学生とコミュニケーションをしながら、学生本人が自分の良さに気づく機会を作っていきたいと考えています

―そうですか。自分の良さに気づききれていないんですね…。
私たちもそうではないですか?
人に注意されてわかること、人に褒めてもらってわかること、自分の事は自分が一番わかっているようで、実はみえていないことが多いですよね。
造形や美術も同じで、作った作品をみんなで鑑賞してみると、「自分はこんな風に考えたけど、あの子はこんな風に感じて、こんな風にみえるんだ。」とか、一人一人見方も感じ方も違うことがわかります。
造形、美術は、答えがたくさんある面白い教科だと思います。
自分では見えないことがあることや、いろんな見方、感じ方があっていいことに、造形を通して実感して欲しいですね。

―大切なことですね。インタビューありがとうございました。

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新實先生を紹介した動画

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