2026.09.01
2019年度卒業生との「約束」の特別卒業式
「約束がやっと果たせました」――コロナ禍で卒業式が中止になった2019年度の卒業生たちの特別卒業式が、8月30日愛知東邦大学LCホールで開かれました。
2019年度の卒業証書・学位授与式(卒業式)は、2020年3月18日に行われる予定でした。しかし新型コロナウイルス感染症が先行きの見えないまま拡大・深刻化した時期に当たり、卒業式の5日前という直前に中止が決まりました。
この年、本学を卒業したのは235人で、卒業証書や記念品などは郵送で各人に送られました。その中に同封されたお知らせや、WEBでの告知に「卒業式に代わるイベントを企画します」と書かれており、愛知東邦大学としては、その「約束」を果たせたというわけです。
特別卒業式に参加したのは3学部合わせて36人。仕事や子育てなど、いろいろな事情で参加できない人も多かったとみられます。該当の卒業生に連絡した際、メッセージを募集しており、その中には「2児を授かり、子育てで忙しいけど幸せです」と寄せた元女子学生もいました。
式は午前10時に開式。学部別に、学部長が一人一人名前を読み上げると、「はい」という返事と共に起立しました。その上で学部ごとの代表に、鵜飼裕之学長から「特別証書」が手渡されました。
特別証書にはこう書かれています。
あなたは令和二年三月に未曽有の状況下で式典の中止を余儀なくされるも 自らの道を力強く歩み出し 先の見えない日々を一つひとつ乗り越え それぞれの場所で確かな歩みを進めてこられました
ここに心からの敬意を表し その栄誉を称え特別証書を贈ります
愛知東邦大学はこれからもあなたの挑戦を応援し続けます
この特別証書は、式の終了後、学部長やゼミの担任から参加者全員に手渡されました。
式では続いて鵜飼学長が「お帰りなさい」という呼びかけで始まる式辞を述べました。その中で「コロナ禍の混乱の中、それぞれ頑張って来られ、今日帰還されました。その努力に敬意を表し、これからに期待したいと思います」と続けました。さらに人生の先輩として「世界は常に変化しています。変化に対応するのは好奇心だと思います。その世界で生き続けるためには、これからも好奇心を持って挑戦していってほしい」との言葉を贈りました。
榊直樹理事長はロシアのウクライナ侵攻や戦中の学徒出陣などを挙げた上で「平和な時代をいかに守っていくかを考えた場合、優しさと思いやりがあると思います。これまで築き上げてきた優しさと思いやりの文化が、愛知東邦大学で学んだみなさんの根底にもあると思って、これからも生きていっていただきたい」と話しました。
祝辞の後は、サプライズで東邦高校マーチングバンド部のお祝いの演奏もありました。
式典終了後、参加者は学部ごとに集まり、懐かしい教職員らと懇談しました。経営学部の工藤政也さんは千葉県から参加しました。中止を聞いた時は「当時はご時世だから仕方ないか」と思ったそうです。ただ「もう少し集まるかなと思ってきたから、参加者が少なくてちょっと寂しい」と残念そうでした。同じく経営学部の大岩あみさんは「代わりの式をやりますと卒業証書に同封された紙が入っていたのを覚えています。やっと卒業式がやれるんだ」と思って参加したそうです。
教育学部の國廣宇宙さんは、中止が決まり、仲間同士で大学に集まって写真を撮ったそうです。「卒業式がなかったのは寂しかったけど、僕らしか経験できないことなので、まあそれもいいか、と思っていました」と当時を振り返りました。
西尾市から参加した人間健康学部の奥谷咲月さんは「卒業式は楽しみだったので『やれないんだなあ』とがっかりしました。袴を予約してあったので、友だちと着付けしてもらって正門で写真を撮りました。今回、このような会うきっかけを作ってくれて感謝しています」と笑顔を見せていました。
経営学部の上條憲二教授は当時のゼミ生に囲まれてニコニコ。その1人、岩田貴寿さんは、入社してから勉強し、現在はロボットのプログラミングの仕事をしているそうです。上條先生は岩田さんを前に「学生時代の岩田君を思うと、そんな技術的な仕事ができるなんてびっくり」と、笑顔で何度も「すごい」「驚いた」を繰り返していました。
参加者らは恩師の先生らとともに、学生食堂で開かれた同窓会「邦友会」の設立60周年記念パティ―に参加し、旧交を温めていました。