愛知東邦大学

2023.11.12

藤井八冠師匠の杉本八段招き愛知東邦大で「才能」を考えるシンポジウム開催

 第58回和丘祭(大学祭)開催中の愛知東邦大学で11月11日、将棋八段の杉本昌隆さんが「師匠が語る弟子・藤井聡太という才能」のテーマで講演しました。21歳2か月で前人未踏の八冠を制した藤井さんを育てた師匠の講演とあって会場のLCホールでは100人近い来場者が講演に聞き入りました。
 杉本さんの講演は愛知東邦大学地域創造研究所主催のシンポジウム「輝け!みんなのチカラ~『才能』を見守る、伸ばす、磨く。~」の中で最初に行われ、インターネットによるライブ配信も行われました。
 シンポジウムは地域創造研究所所長の上條憲二経営学部教授の進行で午後2時から始まり、鵜飼裕之学長が開会のあいさつを行いました。
 杉本さんは日本将棋連盟理事。「師匠はつらいよ」(文藝春秋)、「藤井聡太はこう考える」(PHP研究所)など20冊を超す著書があり、藤井さんとは藤井さんが小学1年生の時に出会い、師匠として指導してきました。
 将棋での藤井さんの才能と強さについて杉本さんは、①当たり前と思われることに疑問を持ち自分で考える力②苦手を作らず得意も作らず、今の環境で最善を尽くす客観力③勝ちから学ぶ姿勢――などをあげました。「藤井君にはおばあちゃんが初めて将棋を教え、藤井君はそれで将棋の楽しさを知りました」とも指摘しました。
 杉本さんに続き、パネリストの教育学部の堀建治教授(幼児教育)が「子どもにとっての『遊び』の意味と大切さ」、水野伸子教授(音楽心理学)が、「才能を育む音楽」のテーマで25分ずつ講演。3人によるパネルでディスカッションも行われました。
 会場では北海道小樽市で行われている第36期竜王戦七番勝負第4局での藤井聡太竜王と挑戦者の伊藤匠七段との対戦中継画面も紹介されました。藤井竜王はシンポジウム終了から1時間もたたない午後5時32分、竜王3連覇と八冠初防衛を果たしましたが、シンポジウム途中、杉本さんによる解説も行われました。
 和やかな雰囲気の中で進められたシンポジウムでは、最後に愛知東邦大学経営学部4年生の男子学生や平和が丘学区の80歳代男性ら3人とパネリスト3人との質疑応答も行われました。
 閉会にあたり榊直樹理事長は、「好きこそものの上手なれという言葉がありますが、まさにそういうことなんだなと思いました。杉本先生のお話から、大人の感覚で答えを言うことで子どもの成長を妨げてしまうこともあるのだと思いました。いかに子どもたちの才能を伸ばしていくかを考えるうえで大変素晴らしい機会を与えていただきました」とあいさつしました。

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