愛知東邦大学

2026.10.21

シャンソン歌手が「半生」を語る

 「歌うことで生かされてきました」――シャンソン歌手、今里哲さんを特別ゲストに迎えた教育学部の保育内容(音楽表現)の授業が10月19日に行われました。水野伸子教授が「講演を聴いた学生の中で、何か反応するものがあればいいな、と思ってお呼びしました」と授業のねらいを話します。
 在日コリアンでゲイをカミングアウトしている今里さん。ユーモアを交えながら独特の語り口で自分の生い立ちを話し始めました。幼い頃はコリアンということで受けた差別を、成長して男性にしか恋愛感情を持てないと気付きカミングアウトをしてからは身内からすら強い偏見を受け、それらに立ち向かってきました。悩み傷つきながら生きている時にシャンソンに出合い、歌手の道を歩む決心をしました。美輪明宏さんに影響を受けたことや美川憲一さんとのコミカルなやり取りもあったそうです。もちろん話の途中には、水野教授のピアノ伴奏で力強い歌声のシャンソンを歌い、ひたすら前向きに生きた半生を歌い、語りました。中でも今里さんは「国籍にも命にも性別にも、1番も2番もありません。自分の国だけ優先する『ファースト』なんて使ってはダメ。どんな人も人は人、同じです」と何度も繰り返していました。
 最後には学生たちの質問に気さくに答えました。好きな人へのアプローチ方法など恋愛関係の質問が多く出ましたが、「勉強は何のためにするの?」という質問には「自分を発見するためよ」ときっぱり言い切っていました。
 以下は学生の感想です。いろいろな悩みもプラスに考えようと思った▽自分の自由を愛している哲さんが美しく映りました▽自分自身に自信がなかったけど、哲さんの話を聞いて自信を持てるようになりました▽ひどい差別を受けて来たのにネガティブなことを言わなかったことがすごくて、見習おうと思いました▽歌に魂が込められていて、耳より心で聴く歌だと思った▽自分に自信を持ち自分らしく生きるのは簡単ではないが、周りの目を気にせず、自分を大切にすることが大事だと思った▽歌はとても力強く聴き入ってしまうほど素敵でした▽両親の言うことに従ったり、自分の意見を言わないことが多かったけど「自分の人生は自分で決めて」という言葉に刺激をもらいました――など、ここには書ききれませんが、どの意見も今里さんの影響か、しっかりとした意見がほとんどでした。
 水野教授のねらい通り、学生には多様な反応が起きたようです。

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