2025.12.10
ゲスト講師が「災害の教訓に学ぶ」として講義
経営学部・原京二教授の「コミュニケーション論」の授業が12月10日行われ、ゲスト講師に招かれたCBCテレビ論説室特別解説委員の後藤克幸さんが「災害の教訓に学ぶ」と題して講義を行いました。
この授業は「マスコミュニケーションにおけるテレビメディアの役割」について学ぶもので、原教授は「南海トラフ地震がいつ起こるか分からない状況の中で、自分たちができることを考えるきっかけにしてほしい」と狙いを話しました。
まず過去の災害報道の歴史について、後藤さんが災害によって生まれた教訓について解説しました。近代メディアが初めて遭遇したのが「関東大震災」で、都市計画の重要性やデマの怖さなど多くの教訓を生みました。生まれたばかりのテレビ報道が直面した初の大災害が「伊勢湾台風」で、報道しながら救援活動も行い、その後の災害報道の原点となりました。川の氾濫が被害を大きくし、コンクリート製の堤防の必要性が教訓となりました。後藤さんが記者として報道に携わったのは「阪神大震災」でした。建物の倒壊で圧死する被害者が多かった事実から、やがて国による建築基準法の改正につながりました。
そして「東日本大震災」では、津波に襲われたものの約600人の児童・生徒と教員が無事に避難した岩手県釜石市の例と、児童と教員84人が逃げ遅れ亡くなった宮城県石巻市の2つの映像を学生に見せました。石巻市で子供を亡くした遺族は、震災の「語り部」として活動し「亡くなった子供は返らないが、何か未来につなげたい」と映像の中で話していました。
後藤さんは「過去の被害は消せないが、未来の被害は減らすことができる」と災害報道の意義を語り、「教訓を生かせば未来は変わる」と強調していました。
授業を受けていた女子学生は、東日本大震災の復興支援の活動をしているそうで「石巻の現地にも行きましたが、教訓って大事だなと実感しました」と話していました。
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