2025.09.19
学生が企画したラジオ番組「犯罪と若者」を収録
経営学部の授業で学生が「犯罪と若者」をテーマにしたラジオ番組を企画し、9月18日に番組の収録が名古屋市中区のラジオ局「MID-FM」で行われました。
社会問題の解決を現場で学ぶフィールドワーク型授業「東邦プロジェクト」の一環です。この授業を担当している経営学部の原京二教授は「メディア環境が大きく変化している中でラジオの聴取者は減っています。しかし東日本大震災や能登半島地震等の大災害では、ラジオが被災者の安心と安全に役立ったという実績があります。ラジオの役割は終わるどころか、ますます高まっています」と話し、ラジオの役割を再考し、若者に聴いてほしい番組を企画するように、と授業で提案しました。
学生たちは昨年の秋から独自のアンケートを実施して、ラジオ番組の企画を考えました。そこで取り上げた社会課題の一つが、闇バイトや薬物など若者を取り巻く犯罪問題です。若者にとって身近に迫り、深刻化している今、どうしてその罪を犯したのか、どうして更生したのかを、当事者を交えて学生目線で考えようという企画書をまとめました。1月のプレゼンテーションを受けてMID-FMが番組化を引き受けてくれました。
ゲスト(当事者)は、NPO法人「再非行防止サポートセンター愛知」理事長の高坂朝人さんと副理事長の竹尾幸宣さんです。2人とも未成年の頃から非行に走り、少年院に入った経験もあり、更生した今は同じような来歴の若者の更生に尽力しています。
番組のパーソナリティーは、企画を提案し中心になってまとめた3年生の吉原大翔さんと、大学でラジオサークルを主宰する4年生の粕谷亮太さんが務めました。当事者の2人や局のプロデューサーを交え、事前に5、6回の打ち合わせを重ねてきました。
収録は、場慣れしている粕谷さんが主に聞き役として主導。「どうして犯罪に関わってしまうのか」という質問に「犯罪や非行はSNSで生まれる」と高坂さん。竹尾さんの「インスタグラムを見れば、犯罪に引き込まれかけているかが分かる」という話に驚いたり、「1回だけで薬物は簡単に止められるというのは嘘」という話に、2人とも「怖いね」と声を揃えていました。
収録終了後に、プロデューサーは「粕谷さんはかなりアドリブも入れていましたが、なかなかできることではない」と感心していました。吉原さんは「番組がラジオ局やゲスト、それに大学など大勢の人に支えられて出来ていることが分かりました。収録が終わり、すごくうれしいです」と興奮気味でした。
原教授は「企画から見ると1年近くかけて番組の放送にこぎつけました。学生らはいろいろな所に気を配ることもできるようになり、本当に成長したなあというのが実感です。プロジェクトの成果である番組を大勢の人に聴いてほしい」と話していました。
番組は9月30日午後7時半から「大学生のここだけの話ですが。from愛知東邦大学」として放送される予定です。MID-FMの周波数は76.1MHz。またラジオがなくても、MID-FMのHPからアプリをダウンロードしても聴くことができます。