2025.07.04
教育学部1年生が東山動物園、モリコロパークで研修
教育学部1年生の基礎演習で、5月23日に東山動物園に出かけ絶滅危惧種の動物たちをめぐる環境問題について研修を受けました。また6月27日には、愛・地球博記念公園(モリコロパーク)で身近な森の自然環境、愛知県児童総合センターでは子どもの遊びの環境についても学びました。
5月の東山動物園では、環境教育解説員の中囿雅子さんから、絶命危惧種にまつわるさまざまな問題や取り組みを、絶滅が危惧される動物を実際に観察しながら説明していただきました。絶滅の危機は、農地の開発や乱獲、密猟、気候変動などが主な原因ということです。ヒトが日常生活で求めている豊かさが、間接的に動物の絶命を早めていることを知り、私たちが手に取るものはどのような過程で作られているのかを知ることは、とても大切なことだと学びました。
参加した学生からは「絶滅危惧種の動物の多さに驚いた」「普段とは違った動物の見方や、動物園があることの意義を知ることができた」「ただ動物を見ているだけでは分からないことに多く気付けた」といった感想が聞かれました。学生たちの多くが子どもの頃に遠足で訪れた事を思い出していましたが、近い将来、東山動物園に教員や保育者として児童や園児を引率して来る学生もたくさんいると思います。中囿さんから「動物園の遠足では、子どもたちにたくさんの動物を見せることよりも、動物の行動をゆっくりと観察して、それぞれの動物の不思議な行動や鳴き声などの特徴を、時間をかけて発見する面白さを伝えて欲しい」とアドバイスをいただきました。
6月に研修を実施した愛・地球博記念公園(モリコロパーク)内にある「もりの学舎」は、ジブリパークに隣接した親林楽園ゾーンにある愛知県の環境学習施設です。学生は、もりの学舎の「あそび工房」で森に自生するさまざまな葉っぱの手触りを採取する「さわってちょ」という手帳を作りました。また、森の案内人「インタープリター」から手渡された地図をヒントに、森に隠されたクイズに答えながら、森の生き物のようすを見たり、虫や鳥、風などの音を聴いたりと「自然」を体験しました。
午後からは県立の大型児童館である愛知県児童総合センターで、これまでの五感を大切にした遊びの実践例の紹介や、地域におけるセンターの機能を職員の牛田康弘さんから講義を受けました。レクチャーの後、学生は実際にセンターの遊びを体験したり、さまざまな遊びのプログラムを見学しました。子どもの頃にこのセンターでよく遊んでいたという学生も多く、懐かしいといった感想が聞かれました。中には、子どもたちが全身の感覚をフルに発揮できるようにさまざまなプログラムが工夫されていたことを今日知りました、と話した学生もいました。
教育学部では子どもに関する様々なフィールドで活躍する人との出会いを大切にしながら、フィールド・ラーニングを今後も実践していきます。(教育学部教授 新實広記)