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TOHO INTERVIEW

【第32回】高校野球生活が終わる甲子園の最後を楽しみたかった プロの世界に飛び込み好きな野球を極めたい

東邦高校硬式野球部

藤嶋健人主将

(U-18アジア選手権日本代表)

藤嶋健人(ふじしま けんと)

 豊橋市出身。同市立南部中学校出身で2014年に東邦高校入学。同年夏の甲子園に1年生でデビュー。2016年はエースで4番としてチームを春、夏の甲子園連続出場に導きました。夏の大会では、1回戦で3ランを含む4安打6打点をたたき出すなどプロ野球スカウトたちから熱い視線が注がれています。

 台湾で8月30日から開催された第11回アジア野球連盟U-1 8(18歳以下)アジア選手権で、18人の日本代表選手に加わった藤嶋健人選手が9月7日、元気に母校に帰ってきました。榊直樹理事長への帰国あいさつのために愛知東邦大学を訪れた藤嶋選手に榊理事長がインタビューし、この夏、甲子園を湧かせたドラマも含め振り返ってもらいました。

 

――アジア選手権では日本が台湾に1-0で競り勝ち、2大会ぶり5度目の優勝を決めました。参加して得がたい経験をしたのでは。

 国際大会だけあって、日本に対して強い対抗心で向かってくる国もあり、国の国との戦いなんだなと思いました。日本から応援に来てくれた人たちもいて、日の丸を背負って戦うってすごいことなんだなあとも思いました。全部で6試合戦いましたが、僕は打者として香港、韓国戦、投手としてインドネシア戦の計3試合に出場しました。香港戦はスタメンで4打数3安打でしたが、韓国戦は代打出場。日本メンバーのレベルがめちゃくちゃ高く、なかなか試合に出られませんでした。ベンチではグローブを出したり、声を出したり、サポート側に回ることが多かった。僕の高校での野球生活は、最初からずっとサポートしてもらう側だったので、初めての経験に戸惑うこともありましたが、出場している選手たちと自分をじっくり見比べることができました。

 

――投手として出場したインドネシア戦は5回完全試合。すごいですね。

試合は35-0の5回コールドゲーム。アジア地区での日本、台湾、韓国クラスの野球とその下のクラスとのレベル差の大きさを感じました。5回投げて10奪三振。愛知県大会で調子が良かった時の感覚が戻った気がしました。インドネシアの選手たちは陽気で、気さくに声をかけてきました。コーチの方には民族踊りのような踊りを教えてもらいました。言葉は通じなくても、いろんな国の選手たちとコミュニケーションができました。韓国の選手たちは日本の甲子園大会をテレビで見ていたのか、「クライ、クライ」と話しかけられました。「泣いていただろう」と。参加できていい経験がたくさんできたと思います。

 

――夏の甲子園で、東邦が八戸学院光星に9回二死からの4連打で逆転サヨナラ勝ちした試合。キャプテン藤嶋はどうしてあんなにベンチでニコニコしていたのですか。

 僕はベンチからスタンドを見て感動していました。9回の攻撃が始まった時から手拍子が始まり、球場全体が応援し始めたと思いました。U-1 8メンバーの八戸学院光星の選手が、「勝つつもりでいたのに、9回裏にマジで本当にのまれてしまった」と話してくれました。応援の力ってすごいなあと思いました。僕がマウンドにいたら、同じようにすごいことになっていたでしょう。4点を追う9回裏の攻撃を前に、僕らは円陣を組んだ。「最後くらい開き直って楽しくやろうぜ」と。1年生の時からやってきた野球が、本当にこれで終わるかも知れない。最後の最後は楽しくやりたいと思いました。

 

――エースで投げたり、4番で打席に立ったり、さらにアジア大会はベンチで支えた時もあったわけですが、ベンチでの苦労をもう少し具体的に言うと。

 ベンチでサポートしながら、すごく試合に出たいと思いました。何で出られないのかと悔しくて。しかし与えられたサポート役はしっかり果たさなくてならない。今までの自分にはなかった複雑な気持ちでした。東邦で一緒に野球を続けてきた仲間には、サポート役にも加われずスタンドからの応援役に回ってくれた仲間たちがたくさんいます。キャプテンとして、頑張ろうぜと声をかけてきましたが、みんな、本心では、「俺も試合に出たいんだよ」と心の中で叫んでいたんですね。そんな中で、あの甲子園でもあれだけサポートしてもらい、応援してもらった。そっちの方がすごいことなんだと思いました。

 

――10月2日からは岩手国体が始まります。甲子園では終わらなかった高校野球生活がもうすこし続きますね。

 そうです。岩手国体での初戦は熊本の秀学館。台湾から羽田空港に到着した時に開いた携帯で組み合わせ表を見て知りました。U-1 8メンバーだった秀学館の九鬼隆平選手と松尾大河選手からは「また一緒になるな」と声をかけられました。アジア選手権で一緒に戦ったメンバーたちは、みんなプロの世界でやれる選手で、自分はそうした選手たちより下だとも思いました。しかし、一方で、プロの世界に入って、彼らを追い越せるよう頑張ろうという気持ちも強まりました。岩手国体では、甲子園では投手としての評価を下げてしまった分を挽回し、プロのスカウトたちにぜひアピールしたいと思います。

 

――プロの世界挑むにあたって、いつも頭に浮かべているのは何ですか。

 自分の中で、野球が好きなんだという気持ちを持ち続けることです。練習はそれほど好きではありませんが、野球で頑張ろうと思ったらやはり練習をしなければいけない。だから野球が好きだから練習をしないといけないということにつながるんです。僕にとっては、プロ野球選手になること自体が目標ではありません。プロの一軍に定着して、継続して結果を出して、日本を代表する選手になる。さらにその先にあるステージに挑戦していく。それが目指す夢です。そのためは、まずは目標とする世界に入り、一番下から頑張っていきたいと思っています。