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TOHO INTERVIEW

【第31回】オリンピック種目決定で空手人口の広がりに期待  全国高校総体25年連続出場は誇り

東邦高校空手道部

貫名正樹監督

(愛知東邦大学職員)

貫名正樹(ぬきな・まさき)

 名古屋市中区生まれ。東邦高校空手道部時代は23期主将。近畿大学時代には団体組手で日本一を達成。同大商経学部経済学科卒。一般企業勤務を経て2002年4月から学校法人東邦学園勤務。2013年4月から東邦高校空手部監督。全日本空手道連盟公認四段。日本体育協会公認空手道コーチ。38歳。

 全国高校総体(インターハイ)の空手道競技が山口県で開催され、東邦高校空手道部が25年連続出場で表彰されました。愛知県の高校で25年連続出場は初となる快挙です。愛知東邦大学の総務課職員の仕事をしながら母校の空手道部監督として、インターハイ開会式で表彰された貫名正樹さんに聞きました。

 

――東邦高校空手道部がインターハイに25年連続出場したことで、高体連から表彰されました。おめでとうございます。

 ありがとうございます。東邦高校の運動部で、全国大会活躍している部としては硬式野球部、サッカー部、水泳部、そして空手道部がよく知られていますが、愛知県の高校空手道部で25回連続でのインターハイ出場は東邦が初めてです。千葉県の拓殖大学紅陵高校が一緒に表彰されましたが、開催地に近い学校が代表で表彰式に臨むことになっており、私が監督として表彰状をいただきました。全国レベルでは30年、40年連続表彰の学校もあります。山口県で開催された第43回大会には東邦高校からは男子団体組手( 1対1で対戦)と男子個人組手、女子個人形(かた)(各種の技を決まった順序で演武し、強さや正確さを競う)の3種目に出場。応援部員も含め総勢30人がバスで乗り込みました。男子団体組手は残念ながら1回戦で敗退しましたが、女子個人形が3回戦、男子個人組手が2回戦に進み健闘しました。

 

――これからどんな空手道部をめざしますか。

 状況に応じて、指示をしたり、練習メニューを作ったりすることもありますが、基本的には部員たちに目標を立てさせて、いかにして自立させるかという考えで臨みたいと思っています。高校3年生の時のインターハイで、どこまでの結果を出したいか、そうするためにはどうすべきなのか、ほかの出場校とどこが違うのか、ではどんな練習メニューにすべきだとか。押し付けや丸投げではなく、意見交換しながら、部員たちの自立を促していきたいと考えています。

 

――空手を始めたのはいつからですか。

 4歳上の兄の影響もあり小学1年生の時から自宅から近い昭和区の道場に通っていました。ひたすら基本を学び、幼少時には特に面白いと思ったわけではありませんが、道場には東邦高校時代も、空手道部での部活が終わってから通い続けました。高校時代は、1年生の時の団体戦で全国ベスト8になりましたが、主将として臨んだ3年生の時はインターハイ予選で敗退するなど悔しい思いもしました。ただ、個人戦や女子団体は出場していますからインターハイ連続出場は途切れていません。東邦高校を卒業し、大学は空手の強い近畿大学に進み、4年生の時には男女とも団体組手で日本一を達成しました。自分は小柄なので、普通にやっていては勝てないと思い、動きや反応、判断を速くするなどいろいろと考え続けての空手でした。

 

――愛知東邦大学が東邦学園大学として開学したばかりの2002年から大学職員として勤務していますが、大学では空手道部は生まれなかったのですか。

 大学では教務課、就職課、総務課を中心に勤務してきましたが、東邦高校で空手をやっていた学生たちを中心として少人数の空手道部はありました。2013年に高校の監督を引き受けるまでは、大学の空手道部の指導にもあたっていました。多い時で男女10人近くの部員がいて、練習日を決めてS棟地下などで練習をしていました。ただ、そのうちに学生たちもアルバイトで練習に参加できないなど活動が停滞し始め、2年前の卒業生を最後に自然消滅しました。最近はオープンキャンパスで、「空手道部はありますか」という質問を受けることはありますが、入学した学生たちから「空手をやりたい」という声は聞かれません。

 

――中京テレビが先日、五輪など日本代表チームの愛称の浸透度につて、東邦高校空手道部員たちに、空手日本代表の「雷神(らいじん)ジャパン」について取材、放送しました。

 30人近い部員のうち、3年生は全員が○(知っている)でしたが、2年生以下は×が多かった。1、2年生たちは、「インターハイでベスト8に入りたい」とかいつも口に出して言っているのに、世界大会とか日本代表とかのレベルのところまでは全く意識にないのだと残念に思いました。せっかく空手が東京オリンピック種目に選ばれ、メジャー競技になるチャンスが到来したのですから、そうした部員たちの意識をどうやって高めていくかは大きな課題だと思っています。

 

――空手の東京オリンピック正式種目決定は空手界の悲願だったわけですね。

 そうです。全日本空手道連盟では、空手が日本発祥の武道から世界に広まったスポーツであることをアピールしてきました。世界の190の国と地域が国際競技連盟に加盟し、愛好者は世界で1億人に上るとも言われています。日本でも最近は、空手の小学生全国大会や、“天才空手少女”がテレビCMで話題になるなど、空手は小学生たちにも大人気です。空手を通して子供に礼儀をしっかり身につけつけさせたいという親が増えていることが大きい。これまで、せっかく小学校まで空手をやっていても、中学生からはメジャー競技である野球、サッカー、バスケットとか違うスポーツに行ってしまう子が多いのが実情でした。オリンピック種目として、空手がメジャー競技として定着することで、空手人口が大きく増えることを期待しています。

 

――大学職員として14年間、学生たちと接してきて、より充実した学生生活を送るためのアドバイスはありませんか。

 社会に出る直前の学生たちと接する機会が多い就職課にいた時に感じたのは、大学生活の中で自分は何をしてきたのか、自信を持って言える学生が意外に少ないことでした。早い段階で、部活であってもいいし、そうでなくてもいいから、大学生活の中で、自分はこれに打ち込んだと言えるものをぜひ見つけてほしいと思います。