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「フレンズ・TOHO」講演会 和田さんが原発20km圏内からの再出発で講演

2017/6/12

 東邦学園の支援組織である「フレンズ・TOHO」の2017年度定期総会記念講演会が6月9日、名古屋市中区の名古屋東急ホテルで開かれ、福島県南相馬市小高区の小高ワーカーズベース社長和田智行さん(40)が、東日本大震災に伴う原発事故で避難した住民らの帰還支援活動の取り組みについて語りました。
 和田さんは「福島は現代日本のフロンティア~困難の中からチャンスを見つける方法」をテーマに講演。原発20km圏内の小高区は、2011年3月11日の原発事故発生で、1万2842人の全住民が避難を余儀なくされました。

 2016年7月12日の避難指示解除で住民の帰還が始まりましたが、2017年4月30日時点での帰還者は1729人と避難前の約19%にとどまっています。
 「故郷は普通の価値観では選ばれない、暮らしたいとは思えない『異世界』に変わってしまった。しかし、発想を変えれば、『異世界』を開墾して新しい社会を創る、現代日本では唯一で最後のフロンティアに挑戦することができると思った」。和田さんは故郷の紹介も含めて、帰還支援活動として取り組んできた小高ワーカーズベースの事業を中心に、1時間半にわたり熱く語りました。

 講演後の質疑応答で榊直樹理事長・学長は「和田さん自身が、従来の価値観を転換して避難先から戻り、帰還支援活動を始めようと決意するには奥さんや家族の理解が必要だったのではないか」と質問。
 和田さんは、「震災後に避難した埼玉県から東京のIT企業に通勤しているうちに、職場が現実とはかけ離れたバーチャル世界のように見えた。一方、被災地で生きるには人と人とのつながりが不可欠。帰還を決断できたのは家族の理解であり、何よりも妻が被災地の放射線量をしっかり把握していて、健康上の不安を取り払ってくれたことが大きかった」と語りました。